スタッフ:最初に、ピアノを始められたきっかけを教えてください。
久保:小さい頃、家におもちゃのピアノがあり、私はそれを、楽しそうに弾いていたそうです。
その様子を見た母親が、「これはいける!」と思ったようで(笑)、習わせてくれました。4歳9ヶ月の時のことです。
家にはおもちゃのピアノ以外に、足踏みオルガンがあり、しばらくは、その楽器で練習していました。
スタッフ:ご近所の教室に通われたのですか?
久保:通っていた幼稚園で、放課後にピアノ教室が開講されており、そこで習っていました。
スタッフ:大阪音大の付属幼稚園にも、「クレフ」という放課後の音楽教室がありますよね。
練習熱心なお子さんだったのですか?
久保:昔から、楽譜を見て、わりとすぐに弾くことができたので、それで大丈夫だと思って、中学生くらいまでは、あまり練習していませんでした。
スタッフ:音楽大学の受験を意識し始めたのは、いつ頃ですか?
久保:高校に入学後、大学進学について、本格的に考え始めました。
母は私を、音楽大学に行かせたかったようです。
私はそれまで、自分の人生について深く考えていませんでしたが、その時期に、当時習っていた先生と母に相談し、準備を始めました。
当時、大阪音楽大学では、高校生の為の実力テストが開催されていました。
大学の先生方に、現時点での合否判定をしていただく、模試のようなものです。
高校1年生でそれを受験した時、他の高校生の演奏を聴いて、衝撃を受けたんです。
音大を目指して勉強している人たちの演奏は、すっごく上手で、自分とは全然違いました。
私が本格的に音楽の勉強を始めたのは、その時からです。
中学から続けてきた吹奏楽部も辞めて、必死に取り組みました。
スタッフ:私も似た経験があります。現実に直面して、気が付くことってありますよね。高校生の頃は、どのくらい練習されていたんですか?
久保:出来る限り、練習時間に充てていましたよ。
高校の音楽の先生にお願いして、早朝は音楽室で弾かせてもらいました。授業後はすぐに帰宅し、夜まで練習しました。
1つ、印象的な出来事があって、友達とお話をしていたら、私が途中で寝てしまったんです。
その後、友達に聞いた話によると、寝ている時に指が動いていたそうです。
ただその時は、練習が辛いとか、追い込まれているとかではなく、とにかく受かりたいという気持ちでした。「人生かかってる」と、思っていました。
推薦入試を受験し、短大に合格しました。
でも私は4年制大学を目指していましたので、数か月後の一般入試でもう一度、大学を受験しました。その時期は、特に必死に練習に励みました。