特別講座・イベント

ベートーヴェンを解剖するIII

ベートーヴェンを神にした男・ベートーヴェンの秘書シンドラー
2007年12月15日実施
【講師】

横原千史(よこはら せんし):大阪音楽大学講師[音楽学]

【講座内容】

 アントン・シンドラーは、ベートーヴェンの晩年に無給秘書権雑用係となった。作曲者の死後『ベートーヴェン伝』を書き、それは最初の本格的伝記として高く評価された。この伝記には「運命はこのように扉を叩く」「テンペストを読め」など、傑作交響曲やソナタのニックネームのもととなったエピソードが数多く盛り込まれている。それと同時にシンドラーは作曲家をこよなく崇拝していたので、神のごときベートーヴェン像を生み出す端緒ともなった。その後、会話帳の改竄を疑われ、伝記の信憑性の評価も下がったが、シンドラーはベートーヴェンの身近にいて、作曲家を熟知した人物であり、その伝記には見直すべき点は多い。むしろシンドラーの視点からベートーヴェンの作品の新たな理解が生み出される可能性も高いといえるだろう。シンドラーが述べた交響曲とピアノソナタ、テンポや解釈の問題などを取り上げるとともに、彼の目の前で生み出された第9交響曲や後期のピアノソナタと弦楽四重奏曲を例にあげながら、ベートーヴェンの生涯と作品を論じる。また、ベートーヴェン神話を生み出した受容史を概観する。

【イベントレポート-受講生のアンケートより】

Qご来場の動機を教えてください。
・以前「人間のベートーヴェン」という本があると聞き、読んだことがなく、読みたいと思っていましたが、その周りにいるシンドラーという人がいると初めて知りました。
・ちょうど今、勉強しているところだったから
・ベートーヴェンに興味があったから
・ “ベートーヴェンを解剖する”のタイトルに興味を持ち、Ⅰ・Ⅱに引き続いての参加です。3人の子供達が小さい頃、コンサートに行きにくいので第1~第9を順に、毎日レコードで繰り返し聞き楽しんでいました。


Q今回のイベントの感想をお聞かせください。
・様々な角度からの話で、とても参考になりました。
・ベートーヴェンだけでなく、関連する人物、環境、時代が作用していると改めて発見しました。 ・文献とCDとの比較で分かりやすかったです。
・シンドラーを通してのベートーヴェンの日常、大変面白く拝聴しました。(例えば、貧困の中での美しいメロディーの作曲など)